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廃仏毀釈とCOVID-19

 

富士山などの古い信仰の山を登っていると、

道端に首のないお地蔵さんなどを見かけることがあります。

 

明治時代に行われたとされる、あの悪名高き、あの廃仏毀釈の被害者の仏さまですね。

 

意地の悪い本を読むと、この首のない仏さまは、

たいてい明治政府の神道政策を批判する格好のネタにされることが多いのですが、

今回はそこが本題ではありません。

 

一般的に、廃仏毀釈とは明治政府の神仏分離令など一連の布告により、

人々が日本各地で、仏像を破壊し、燃やし、寺を売りに出し、という行動を起こし、

仏教とその遺産が手ひどい弾圧を受けた一連の動きのことを言います。

 

有名な話では、現在は世界遺産になっている奈良・興福寺の五重塔が25円で売りに出され、

それでも買い手がつかなかった、という話もあります

 

 

https://narakanko-enjoy.com/ より
https://narakanko-enjoy.com/ より

 

 

 

しかし、実際には、明治政府は神仏分離令などで、

仏教伝来以来1300年かけてごっちゃになった両者の線引をしただけで、

仏像を破壊しろ、寺院は燃やせ、などとは一言も言ってないし、書いてないのですね。

 

むしろ率先して仏教を弾圧したのは、政府の布告を拡大解釈し、

それを煽った一部の学者と、それによってエスカレートした民衆だと言われています。

 

 

 

しかし、どんな動きも当然ながら熱は冷めるもので、

5年もすると、あらかた破壊しつくされ荒涼とした寺院を眺めた民衆が、

破壊してしまったものの大きさに気づいたという、なんともいえない話です。

 

その後、あのフェノロサや岡倉天心などが、仏教美術の価値を再認識させる運動のかいなどもあり、

徐々に、仏教は地位を取り戻し、今に至るわけですね。

 

 

 

 

この廃仏毀釈については、私は結構調べたのですが、

当時の「世間の空気」というか、人々の感覚を知ることがとても難しく、

なぜ、人々がそこまで熱狂的に仏教を弾圧したのか、最終的に理解することができませんでした。

 

「世間の空気」はその時代が過ぎ去ってしまうと、文献からそれを知ることは難しい

ということを、私はこの廃仏毀釈を調べることで学びました。

そして、時の政府の施策について、いちいちエキサイトしても、何の得にもならないということも。

 

 

おそらく今の世の中の「いや~な雰囲気」も、時代が過ぎ去った後の、

未来の人間は想像がつかないことでしょう。

 

 

さて、50年後くらいに、僕らの子孫が冷静に、今の状況を感染者数や致死率などのデータから分析した場合、

 

「なんで令和の人間はあんな選択肢をしたのだろう?」

「なんでみんなで必死になって社会を破壊したのだろう?」

 

と思うのでしょうか?

 

それとも、

 

「令和の時代に人々のおかげで、僕らが生きているのだ」

 

と思ってくれるのでしょうか?

 

すくなくとも、

「そう思ってくれる人類自体がいない」

 

という事態だけは避けたいですねえ。

 

 

 

 YH