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新嘗祭に思う

五穀の豊穣
五穀の豊穣

 

 

昨日は「勤労感謝の日」でした。

 

 

多くの登山者にとって祝祭日は「泊まりで山に行けるラッキーな日」程度に

思われているかもしれません(少なくとも30代前半までの私はそうでした)

 

 

この祝日の名称が、生徒会の標語のように、味気ないですからね。

無理もない話しです。

 

 

 

泊まりで山に行けて嬉しさを隠しきれないM氏
泊まりで山に行けて嬉しさを隠しきれないM氏

 

 

その他も例外ではなく、

現在の日本の祝日には、理由がよくわからない名称の祝日が揃っています。

 

 

例えば、秋分の日。

 

 

これなども、シルバーウィークなる渋い名前の連休が生まれまして、

登山者からしてみると、単に涸沢などの紅葉を見に行ける、ラッキーな連休の一部とだけしか考えておりません。

 

 

 

しかし、秋分の日は一般的には、昼が短くなって

 

「昼と夜の長さがだいたい等しくなる日」

 

などといわれていますが、

そもそもなんでそんな日が祝日になっているのか。

 

 

理由は何なのか? 

 

 

ひょっとして、

 

バレンタインデーにはチョコレートを贈ろう!

という風習を考え出したチョコレート業界(そんなものがあるのか知りませんが)のように、

これを機に秋冬物を購入させようとするアパレル業界の陰謀なのか?

 

 

 

LINEスタンプ「業界人」より
LINEスタンプ「業界人」より

 

 

 

 

いや、

 

実は、現在の日本の祝日は、

 

天皇家のお祭り(宮中祭祀)と深く関係しているのですね。

 

戦前までは祝日といっていた位ですからね。

お祭りなんです。

 

 

 

ただ、お祭りっていっても、こういうお祭りではありません。

 

「よさこいソーラン祭り」より引用
「よさこいソーラン祭り」より引用

 

これはこれで楽しいですけどね。

 

 

 

私も含め、現代において「祭り」といえば、自らが「ハイ」になって楽しむイベント、

的なイメージがあるかと思いますが、

 

 

祭りの「初心」、

 

 

昔、むかし、この地球上に人類が誕生したとき、

神を感じた人類が、史上初めて「祭り」という行為を行った時、

 

その行為の精神を現代にまで伝えているのが、

実はこの「宮中祭祀」といえるのかもしれません。

 

 

 

新嘗祭に臨まれる天皇陛下。(時事ドットコムニュースより)
新嘗祭に臨まれる天皇陛下。(時事ドットコムニュースより)

 

  

 

 

  

先の大戦より前、戦前までは、祝祭日といって、

宮中祭祀が日本の祭日としてリンクしていたのですね。

 

年間に12日あった祝日祭日のうち、

現在も同じ日付が祝日となっているのは

 

「四方拝」→ 元日

「紀元節」→ 建国記念の日

「春季皇霊祭」→ 春分の日 

「天長節」→ 天皇誕生日

「秋季皇霊祭」→ 秋分の日

「明治節」→ 文化の日

「新嘗祭(にいなめさい)」→ 勤労感謝の日

 

となっております。

 

日本は戦争に敗けたため、

占領軍であるアメリカに、千数百年続く(おそらくもっと昔から続く)自国の「祭り」を国民の祝日として

祝うことまで禁止された訳ですが、

 

が、ここではそれが主題でないので、また別の機会に。

 

重要なのは、一年のうちの大きな宮中祭祀のうち、

新嘗祭が一年のうち、一番最期にくるお祭りだということです。

 

そして、昨日が平成最期の新嘗祭。

 

それぞれの祭祀には、天皇陛下自らがお出ましになり、

儀式を執り行われます。

 

今年84歳になられる天皇陛下。

この過酷さについては、昨日の産経新聞の記事が多くを語っていますね。

 

 

 

夕の儀が終了するのは午後8時。同様の次第で午後11時から24日午前1時まで「暁(あかつき)の儀」が執り行われる。儀式は各2時間ずつ、計4時間に及ぶ。 陛下は重く、動きにくい装束で、大半の所作を正座したまま行う。このため新嘗祭が近づくと、陛下は御所でくつろぐときも、慣れるために正座のまま過ごされることで知られる。それ以外にも「過酷」と評される理由の1つが気温だ。この時期、儀式の時間帯には10度を切るほど冷え込む年もあるが、神嘉殿には暖房がない。「寒さだけでも相当、体にこたえる。今年84歳になられる陛下にとってはなおさらだろう」(宮内庁関係者)。

 https://www.sankei.com/life/news/171123/lif1711230028-n1.html

 

 

 

出典を忘れてしまいましたが、美智子皇后が詠まれた和歌に、

 

新嘗祭から戻られた陛下のご衣装に触れたとき、

そのご衣装があまりにも冷え切っていたため、

国の元首としての陛下の過酷な「任務」を思われた、

 

という内容の和歌がありました。

 

 

そして、これらはすべて、私達、国民を代表して、

 

この国を守ってくださっている、

天皇家の祖、祖霊、そして八百万の神々、

 

言い替えると、恩恵をもたらしてくれたご先祖様と大自然のために、

お祈りを捧げてくださっているのですね。

 

 

 

全国から献上された新嘗祭のためのお米を眺められる陛下(宮内庁HPより引用)
全国から献上された新嘗祭のためのお米を眺められる陛下(宮内庁HPより引用)

 

 

 

私はね、この陛下のお姿をみて、己を恥じましたよ。

 

なんせ、昨日は、ゲストの方には申し訳なかったのですが、

予定していた立山でのスキーガイドが雪不足により中止になりまして、

 

私の心の中は、感謝どころか、

 

 

 

「雪が降らねー、降らねー」

 

「これじゃ、バックカントリースキーガイドの仕事にならねー」

 

「またエルニーニョって、一体どうなってんだよ、地球」

 

 

 

というような心中にでしたからね

 

(多少の誇張が含まれます)

 

 

 

もともと、雪のような、誰のものでもない、自然の恵み以外の何者でもない、

物質に頼って仕事をさせてもらっていながら、

暖冬を地球のせいにして、新嘗祭の伝統を忘れておりました…。

 

 

申し訳ございません!!! 

 

 

 

 

 

さて、天皇というご存在に対し、

 

日本国憲法の第一条によって、国民統合の象徴と規定されております。

 

 

 

第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 

 

 

しかし、現在の(私のような不真面目な国民)の統合の象徴だけなのだとしたならば、

そこまで宮中祭祀にご熱心であるはずがありません。

 

 

やはり、天皇には「国民の親」という側面もあるのですね。

 

 

息子が仕事に忙殺されて墓参りを忘れても、

上京してしまった娘が親のことを忘れてしまっても、

 

 

それでも、子供のこと(国民)を思って、実家(日本国家)を守っておられるのが、

歴史的な天皇というご存在なのだと思います。

 

 

 

という訳で、親不孝者の代表である私は、昨日午後、慌わてて氏神様である、

東玉川神社にいって、ささやかなお祈りを捧げてまいりました。

 

ご近所の東玉川神社参道
ご近所の東玉川神社参道

 

思い立ったら、どこでも、すぐそばに神社がある。

 

ほんと、嬉しいですね。この国は。

 

 

 

コンビニにも、神棚設置すればいいのにな、と思う今日この頃。

 

 

この一年、曲がりなりにも「神様百名山を旅する」の連載を半分まで続けることを、

お許しくださったこの国の神様方、読者の皆様、編集部の皆様、関係者一同にこの場を借りまして

 

 

御礼申し上げます。

 

ありがとうとざいました。

 

 

今後とも、どうぞ、末永くお付き合いいただければと思います。

 

 

YH